Bremen
 
そしてスコアでは、鳴流神や禍嗚主のような失われた飛行技術はオーバーテクノロジーであるため皆無に等しく、渡航する手段となると……

「船を造らなければならない。
できるだけ巨大な船を」


スネアがバードに尋ねる。

「鳴流神を運搬する訳でも無いのに、何故巨大な船が必要なんだ?
船に乗るのは俺とバード、そしてソナだけだぞ?」

「渡航中、シジマども……
特にあの四門将の襲撃を受ける可能性が高い。
ある程度飛行できるストレグンは別として……
パーカストは足場が無ければ、召喚した瞬間から沈没を始めるぞ。
巨大な甲板を持つ船があれば、海上で襲撃された時の拠点にできる」


バードの言う通りだ。
仮に自分がシジマの立場なら、敵の動きが制限される渡航中を狙うだろうとスネアも思った。


「で………だ。
女将さんが言ってた『良いもの』なら、その条件をクリアできる船を造ることができる」

「あれだな。
俺もすっかり忘れてた」

話しながらバードとスネアが来た場所は、先日火事を始末した山の麓だった。
未だに頂上には、あの時パーカストがブン投げた巨大な貯水プールが伏せられたままの状態で置かれている。

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