Bremen
大海を翔ける!
「うひゃーいニャ!
もうカンツォーネがあんなに小さくなっちゃったニャ!」
細かい飛沫が飛んでくる甲板の上で、額に手を翳しながらソナが嬉しそうに大声を上げる。
照り付ける陽射しの中、バード達を乗せた鋼鉄の白鯨・モビィディックが紺碧の大海を突き進んで行く。
カンツォーネにも東へ行くための港はある。
しかし船とは言え、モビィディックは巨大な戦車のような特殊な船体。
キャタピラで港に入れば、それこそ港をブッ壊しかねないことは容易に推測できる。
「流石に港を破壊して旅立つってのもなぁ……
二度とカンツォーネに帰って来られなくなりそうだからパス。
若干遠回りになるが、浜辺から海に出るか」
カンツォーネの地理は、やはりカンツォーネの人間に任せるのが一番だ。
そして船を操舵するのがその該当者ならば、もはや他人が口を出す必要は無い。
「この船の艦長はスネアだからな、航海に関することはスネアに全て任せる。
目指すは東の大陸……
ジョウルリだ」