Bremen
モビィディックは構わず突進!
ドリルが触手をブチ撒けながら、レヴァテリトンの貝の中にある中枢を目指す!
『おのれ……
かくなる上は、その船体を貝で噛み砕いてやる!』
中枢の目玉直前にまで迫ったモビィディック。
しかしレヴァテリトンの外殻がモビィディックを両脇から挟み込んだ。
『このまま両断してやる!』
「甘いな。
俺が何の策も無く、ただ闇雲に突っ込んだと思うのか?
回転衝角、発射!
ブチ抜けぇっ!!」
『何っ!?』
ズボゴワアァアッ!!
レヴァテリトンが気付いた時には遅かった。
硬い外殻の内側には回転衝角を防ぐ手段が無く、レヴァテリトンはモビィディックから放たれたドリルの弾丸をもろに食らうこととなった。
『ぐぎゃあああっ!!』
貝の中から大量の青い体液が溢れ出し、ストレグンとモビィディックを離して海底を滑るようにレヴァテリトンは逃げて行く。
「ちっ、仕留め損なったか。
だが当分奴は動けまい。
浮上するぞ。
バード、大丈夫か?」
『…………』
ストレグンからの返事が無い。
「バード!?
どうしたってんだ?
仕方が無い、ストレグンを回収しながら海面に出る」
動かずに海中で静止しているストレグンを甲板に乗せ、モビィディックは浮上を開始した。