Bremen
「ジョウルリに複数居るという奏者が、東と西の両方に居た場合は厄介だな。
下手をすると、俺達も内紛に巻き込まれるかも知れない。
それに混乱に乗じて、シジマがどう動くのかも問題だ。
どうする?」
スネアが問うと、バードは既に決めてある今後の策を話した。
「まずは姫を擁護する東側の陣営に接触する。
姫の配下に奏者が居る可能性が高いからな。
それにジョウルリ全体の情報も入りやすい。
そして恐らく、反乱軍である西側にも奏者は居るだろう。
切り札が無ければ、反乱は既に鎮圧されているはずだからだ。
この紛争を長引かせている要因は、東西双方に鳴流神が戦力として存在することにあると睨んだ。
俺達が片方の勢力に加勢すれば拮抗は破れ、紛争も速やかにケリが着く……というのが俺の案だが、シジマが絡んで来れば簡単に事は運ばないだろう。
敵陣の鳴流神に加え、またあの四門将を相手にしなければならないからな」
バードの打ち立てた作戦案を聞いて、スネアはその話の盲点を指摘する。
「もし、姫が俺達の加勢を拒んだらどうする?
西側に接触するのか?」
スネアの指摘に対し、バードが出した解答は奇抜過ぎるものだった。