Bremen
「その態度……
お前、ワオンか?
……なるほどな。
お前程の者なら、俺達の行動はお見通しだろう。
それともウズメの………!」
バードが姫の名前を口に出した瞬間、赤い鎧武者は目にも留まらぬ速さで日本刀を抜き、剣先をバードの喉元に向けた!
「控えろ、下郎!
貴様ごときが姫の名を口にするなど、それだけで万死に値する!
この場で切り捨ててくれる!」
キン!
「っ!?」
鎧武者に勝るとも劣らない速さでギターから奏剣・アコースパーダを抜き、武者の刀を弾き飛ばすバード!
「斬る時は前置きをゴタゴタ言わず、さっさと斬る。
俺はそう教えたはずだが?」
「何っ!?
バード、お前は………」
バードの思わぬ発言に、驚愕の声を上げるスネア。
「ああ。
黙っていて悪かったな。
俺は以前ジョウルリで、今の君主であるウズメ姫の護衛を務めていた。
同時に近衛兵団の剣術指南も担っていてな。
この鎧武者『ワオン』は、俺にとって一番弟子とも呼べる優秀な剣士だった」
「だが貴様はっ!!
突然に姫の前から姿を消し、私にも何も言わずジョウルリから去って行った!
これは国家反逆罪以外の何物でも無い!!」