Bremen
「……意外と良い奴じゃないのか?
あのワオンという男」
「フッ、それは姫の前で分かるだろうさ」
「??」
バードの意味深な発言に、スネアは首を傾げた。
やがて黒い鎧の兵士達が現れ、バード達を謁見の間まで誘導する。
誘導と言えば聞こえは良いが、さしずめそれは『連行』に近かった。
「お姫様って、いつも美味しいものが沢山食べられるのニャ?
羨ましいニャ〜……
いつかソナもお姫様になれないかニャ〜?」
無邪気な質問をバードに投げ掛けるソナ。
その頭を撫でながら、バードは目を細めて答えた。
「お前も姫に会えば分かるさ。
ソナが考えてるほど、姫ってのは甘いものじゃない」
「うひゃ……
ソナは甘いものが良いのニャ」
「食べ物の話じゃ……
まぁ良い。
そこが謁見の間だ。
姫が来るまで休ませて貰おう」
重々しい扉が開かれ、バード達は半ば追い込まれるように室内に入れられた。
部屋の中には豪華なソファーが置かれ、白いテーブルクロスの被せられた円卓の上には旬の果物が盛られた金の皿が飾られている。
「ソナ、腹が減ってるなら食べ………」
バードが言う前に、既に大半の果物はソナの胃袋に直行していた。