Bremen
「甘い!!」
ワオンを怒鳴り付るバード。
「お前、身体を蜂の巣にして敵の目前に辿り着くつもりか!?
もっと大局を見ろ!
敵は鳴流神だけでは無い!」
「う………」
敵の鳴流神を倒すことだけに躍起になっている………
バードに指摘されるワオン。
「バードの言う通りです。
しかし、ワオンが苛立つのも分かります。
バード、何か良い智恵は無いものでしょうか?
敵方もジョウルリの民。
できることなら傷付けたくはありません……」
「おい、バード……
敵の鳴流神も仲間に引き入れるのか?
今の話を聞いた限りじゃ、これは随分と危険な賭けになるかも知れないぞ」
スネアが耳打ちする。
だがバードも、それぐらいのリスクは承知の上だった。
「ウズメ。
俺達に政治の手伝いをさせるからには、それなりの見返りがあるんだろうな?
俺達がジョウルリ内部のイザコザを片付ける義理は無い」
非情の解答を出すバード。
「悪いな。
俺達は慈善事業で奏者をやっている訳では無いんだ。
ましてや反乱分子を抑えるための道具でも無い」