Bremen
「なっ………!?
バード、貴様……
私を陣に加えぬと言うのか!
近衛隊長である私が居なければ、ジョウルリ軍の士気は上がらぬ!」
「軍は必要無い。
と言うより、俺一人でやる。
明朝、日が昇ったら作戦を開始する」
それだけ言うと、バードは謁見の間を出て行ってしまった……
「バードの奴………
作戦って、どういうつもりだ?
ジョウルリ軍はともかく、俺も連れて行かないとは……」
首を傾げて呟くスネア。
煮え切らない表情のワオン。
「ワオン、それにスネアさん。
まずはバードに任せましょう。
スネアさんとソナさんは、長旅でお疲れでしょう。
客室をご用意いたしましたから、今夜はもうお休みになって下さいな。
ワオンもご苦労様。
今晩の護衛は結構ですから、休みなさい」
「は………。
では、失礼致します」
ワオンはウズメに一礼して退室、入れ代わりに謁見の間に入って来た使用人達に連れられて、スネアとソナも出て行った。
部屋に一人残ったウズメ。
『ふう』と、一つ溜息をつく。
「さて……
では行きましょうか。
相変わらず素直で無い、あの人の所へ」