Limit love
1章

嵐の出会い

ザーザーザー…


空は機嫌が悪く
ザーザーと鳴り止まぬ雨。



窓から見る空はいつもとわからない。


なぜか今日は空が泣いている気がした。


あたしあたまおかしくなっちゃった?


空が泣くわけないじゃん。



薄暗い部屋で一人自嘲気味に笑った。



泣いてるのはあたしの心か…



灯りもつけないままテレビの電源を入れた。

見慣れたアナウンサーがいつものように
キレイな服を着飾りキレイな化粧を施している。
いつからアナウンサーに美しさを求めるようになったのだろう?
アナウンサーはただ、ニュースを読みあげて
伝える役なだけなのに。





「太平洋側に台風が近づいています…」




台風…


今年ももうそんな季節か。


テレビを消してあたしは家を出た。


”台風の日は危ないから家でじっとしてるのよ”…
お母さんが昔そんなこと言ってたっけ。



でも、もうあたしには関係ない。



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