Limit love





「悪い。俺がそんなに嫌か?」




そうじゃない…


湊が嫌だったわけじゃない…




なのに声が出ない…

変わりにでるのは涙と嗚咽。




あぁ、もうどうしちゃったんだろう。



もう思い出さないまま行こうとおもったのに。





「泣くほどいやか…」




「ちがっ…ぅ」




「………」





「湊が嫌とか…そういうのじゃない…」




「じゃあどうしたんだよ。なんで泣いてんだよ?」




「俺のせいじゃねぇのか?」




「うん…」




「どうしたんだよ」





そういって湊はあたしから体を離した。




「ねぇ…湊はあたしが自殺した理由とか
聞かないの?……」




「べつに興味ねぇ。自殺するほど嫌なこと
あったんだろ?そんなやつに聞いても嫌なこと
思い出すだけだろうが。」




そっか…



湊って口悪くって顔も怒ってるみたいにみえるけど
優しいんだね…




なんか湊にはいえる気がする…




誰にも言いたくなかったこと
誰にもいえなかったこと
誰にも知られたくなかったこと





不思議だね…



まだあって少しなのに。


おたがいのことよくしらないのに。


誰にもはなすことができなかったあたしの過去を
今ならいえる気がする。



話せる気がする。

話したい…




湊に聞いてもらいたい。



湊は聞いたらどんな顔するのかな?


怖いけど…





でも


聞いてほしい…




あたしは今まで重く閉ざしてきた過去を
ゆっくり話し始めた。


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