Limit love

きっとあたしは笑えていない。


きっと酷く醜い顔をしてるだろう。


神様にさえ見捨てられたあたしを
だれが救ってくれるのかな。



生きてる価値なんかないんだ。


生きてる意味さえない。



だから生きてちゃだめなんだと思った。



あたしがここにいるのは神の悪戯…



きっとあたしをみて笑ってるんだろう。


どうしてあたしをこの世に生み出して
しまったのだろう。





そのスベテが失敗だったんだ。



ねぇ神様?
苦しんでるあたしがおもしろいの?


泣いてるあたしが笑えるの?


ねぇ教えてよ。


なんであたしはここにいるの?





「なんでわらってんだよ」





「無理して笑うな。
苦しいなら泣け。その笑い方お前に似合わねぇ」




そう言って湊はあたしを抱きしめた。


湊はとても温かかった。


体温だけじゃない。


湊のこころそのものが温かかった。



冷え切ったあたしのこころを
温めるように…



凍ったあたしのこころを
溶かすように…




「ぅ…っぐぅ…」





あたしの目からは次から次へと
ボロボロと涙がこぼれてきた。


あんまり湊のこころが温かかったから…


涙がとまらなかった。



涙が枯れて泣くことさえ忘れたあたしが



湊のこころの温かさで
もう一度涙を流すことができた。




あたしが泣き止むまであたしを抱きしめ


優しく頭をなでてくれた。
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