Limit love
「じゃ、そろそろ帰りますか~」


誰かがそう言って楽しい楽しい時間が終わり、
みんな家に帰ることになった。


「鈴、行くぞ。」


「あ、うん。」


今、鈴って言ったよね?



鈴香から急に鈴に呼び方が変わったことに
驚いたけど、すごく嬉しかった。




同時に心臓がドクンと大きく跳ね上がった。


きっとあたしの顔は真っ赤だと思う。



暗い夜道でよかった。


ちかちか光る信号と
ぼんやりと照らされた街頭くらいで
みんなに真っ赤な顔を見られずにすんだ。



呼び方ひとつでこんなにドキドキすると
思わなかったな…





「ふぅ~ん?湊ちゃん?
鈴をいじめちゃだめよ?」


別れ際に手を繋いで曲がろうとするあたしたちを見て男の子が言った。

確か真崎くんだっけ?



「っ…いじめねーよ…」



「ホントかな?
どうかな~ねぇ~勇希?」




「どうでしょうね~
湊?あたしの可愛い鈴いじめたら
絞めるからね?」




んふふふ~って暗くてよく見えなかったけど、
勇希さんが笑ったのがわかった。


声は笑ってるけど…


なんか、怖いかも…



「いじめねーっつうの!」



湊が声を張り上げて言った。
急に大きな声を出したから手を繋いで隣で歩いてる
あたしはビクッと肩を揺らした。



「っぷはははは~ぁ~おもれ~」


なんかみんな大爆笑中です。

おなかが痛そうです。
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