Limit love
”あるもの”


それは水色のノート。


帰り道、ノートを開いた。



ノートには今日作ったハンバーグやカレー、
基本的な料理のレシピがいっぱい載っていた。


たぶん雑誌から切り取ったんだとおもう。


丁寧に切り取りが貼り付けてあって、


3人からの料理のポイントやアドバイスが細かく
書いてあった。



あたしなんかのために…


あたしのために…こんな…


あまりの嬉しさと感動のあまり、


頬に温かいのものが伝うのを感じた。


それはとめどなく溢れ、


次から次えと流れ落ちた。



嬉しかった。



すっごく嬉しかった。



今までこんなにもあたしのためになにかしてくれた
”友達”はいたのだろうか?


きっといなかった。



それ以前にあたしには”友達”と呼べるものがいなかったんだ。



3人はあたしにとって、
初めての”友達”


大切な、大切な…


大切な”友達”



言葉で言い表すとか、形だけとか、
そんなのじゃない。


”友達”なんだ。




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