KING CASTLE
まだ何か言い返そう、と思った矢先、見慣れた家が見えた。
「あ」
電気のついていない、真っ暗な家。
煌々と周りの家は明るいのに、そこだけ暗い。
「あたし、家ここだから。じゃーねッ」
舌を出して、思いっきり喧嘩売ってみる。
だけど伊吹の目は、無表情にあたしの背中越しにある家を見ていた。
「ちょっと?何見てんのさ」
「別に」
そっけなく一言返される。
それにまたカチンときたあたしは、
「馬鹿エロ生徒会長!」
と、夜には少し大きい声で言った。
そうすると、やっぱり眉間に皺をよせて思い切り睨まれる。
「いい加減学習してもいい頃だと思ってたが?」
そう一言漏らして、触れるだけのキスをされた。
「じゃーな。馬鹿、猫、チビ、阿呆、隙だらけ女」
「…〜〜!!うっさいエロ大魔神!」
不敵に笑って、伊吹は来た道をまた引き返していく。
……ん?