KING CASTLE
「う、うん、忘れてた〜」
「そっか。でも今日はあるから…ね?」
その“…”には、“逃げたら承知しねえぞコラ”が省略されているのだ。
有無を言わせない笑顔に、観念してうなずいた。
最初の生徒会から1週間。
放課後の生徒会は面倒くさい。
だけど、毎回逃げようとするあたしを、
伊吹は毎回捕まえる。
引きずって行かされる生徒会室につけば、すぐに仕事を押し付けて追い出す。
じゃあ別にいかなくてもいいじゃない!って思うのはきっと、あたしだけじゃない。
生徒会の他のメンバーには笑われて、あたしだけいい恥だ!
「ほらてめぇ。さっさと来いノロマ」
「なっ!?」
てか今、素…
そう思って周りと見回すと、人がいない。
すでに部活に行った人ばかりだ。
なんだ、バレてないんじゃん。
露骨につまらなそうな顔をすれば、その上で不敵に笑われた。