KING CASTLE
「わかってるのか?我が生徒会唯一の馬鹿」
「……」
「その生徒手帳は何のためにあると思ってる」
「…生徒が校則を守る習慣を身につけるためでしょ!」
「いくらなんでもわかってたか。じゃあ、第一条。会長の言うことは?」
「……絶対」
見た目と外面だけ王子。
中身は大魔王もびっくりの性悪男。
それが我が学園の生徒会長なんて不公平も良いとこだ。
「覚えていたか。なら全学年の教室掃除くらい、簡単だな」
「それとこれとは…!」
「違わねェ」
ぴしゃりとあたしにそう言って、
伊吹優(イブキユウ)はまた生徒会の他のメンバーの方に向き直った。
「ちょっと!」
「まだいたのか、さっさと行かねェと帰れないはずだが…」
「…〜〜〜行けばいいんでしょ!」
この性悪男には、何を言っても無駄だ。
そう判断して、あたし、蒼井妃芽(アオイヒメ)は生徒会室を出ていった。
大きな音を思いっきり立てて。