KING CASTLE
「バーカ。俺がそんなヘマするかよ」
「…そーでしたねッ」
口を尖らせながら、生徒会室への道を歩く。
最上階の一番隅。
県内でも随一の大金持ち私立校、聖七城学園高校の中でも、一番大きくて壮大な扉がある。
横のプレートには、おしゃれなアルファベットで、『A Student Council Room』の文字。
日本語に直すと、どうも生徒会室というらしい。
ここは学園の政治担当の部屋。
「さっさと入れボケ」
「うっさいな!」
今入るわ、と睨みつけながら、扉を開けた。
防音の扉が開くと、話し声が外にもれる。
開いた扉に気付いてそれが中断されると、みんな一斉にこちらをみた。
「あ!妃芽ちゃん遅い!」
「優も一緒なんじゃん!」
キラキラと眩しい笑顔が広がる。