KING CASTLE
チラっと目を上げると、金髪のピアス大量男がいた。
「あんだよ蒼井」
ギロリと睨む様は、ビームでも放ってきそうだ。
怖い、と最初は思うけど、実はそうでもない。
「別になんにもないよ。野菜嫌いの銀河君」
「うるせーっ」
そう、彼は悲しいことに野菜を見ると拒絶反応を起こす。
同じ空間に野菜があるだけで、息をしようとしないのだ。
ふっと見下したように笑ってやると、悔しそうに睨んでくる。
……結構楽しい。
彼は見た目通り、ウチの将軍。
空手、柔道、合気道、剣道、と個人競技をマスターした彼は、頭は悪いが外敵と戦うにはもってこいの人材だ。
そこから視線を一つ横にずらすと、ちょっとキツめ美人の女の人と目が合った。
雰囲気的に先輩っぽい。
あたしと目が合うとこれまた綺麗に笑うから、こっちも恐る恐る笑い返す。
すると、いきなり目を輝かせて席をたった。
「小動物系!我が生徒会に唯一いなかったジャンル!」
他の誰よりも大きな声で叫び、机を回ってあたしに抱きつく。
…はい?
呆然として玲羅に目を向けると、にっこりと少し幼げに笑った。