KING CASTLE
「優ー、柔道部って俺知らねんだけど」
「だろうな。知名度の低いクソ部だ」
…酷い言い様だな。
伊吹と椿君の話に耳を傾けながら、眉をひそめる。
書類を見て歩いてるから、絶対気付かないと思ったのに。
「なんだ蒼井。何が気に入らないんだよ」
目ざとく伊吹は見つけていた。
頭の後ろに目でもあるんじゃないの!?
「別に!もうちょっといい言い方したっていいんじゃないかなーって思っただけ!」
「必要ないね」
そう言うと思ったから最初に「別に」って言ったんじゃない!
冷たく視線を向けてからまた書類に目を戻す伊吹を思いっきり睨みつけた。
「体毛が逆立ってるぞ」
「あたしは猫じゃないっつーの!」
一言どころじゃない。
二言三言くらい多すぎるのよ、こいつは!
クスクスと肩を震わせているその姿は、またムカついた。