KING CASTLE

「え、ええ!?」

柔道を知らないあたしでも、よくわかる。
伊吹の技は鮮やかすぎた。

しかもそれを柔道着ではなく制服でやっているのだ。


「優は本気になりゃ銀河より強いんだもんね〜」

隣で得意げに龍聖が言った。

たしかに、伊吹はすごく強いらしい。


「く、くそぉぉ!」

残された部員が大きな雄叫びを上げる。

「うっわぁ、雑魚っぽい」

龍聖は心底嫌そうな顔をしながら、その様子を見ていた。

しかしその言葉通り、部員達は続々と伊吹に倒されていく。

数をモノともしない伊吹は、たった数分で全員倒した。


「先輩、いち生徒会長に勝てないようじゃ、支援費は上げられませんよ」

最後に、極上の笑顔をのこして。



柔道部制圧戦はあたしも椿君も全く活躍なく。

伊吹の一人勝ちで幕を閉じた。



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