KING CASTLE
*
生徒会室に、ずらりと顔が並ぶ。
「報告」
伊吹が一声言うと、順に報告が始まった。
「コンピューター部はやはり脅されていただけのようですね。一言話し始めた途端、納得してくれました」
水無月先輩がまず一番に言う。
それを玲羅がスラスラと記録していく。
「はーい。サッカー部の説得は多少手間取りましたが、少し笑いかけると顔を真っ赤にして納得。この分だと当分何も言わないばかりか、支援費を少なくもできそうです」
淡々といいながら、絢芽先輩は肩をすくめる。
この様子じゃ、絶対色仕掛けを使ったらしい。
梨宮君も可愛いから楽勝だったんだろう。
「空手部は雑魚だ。説得に来たのが私と暁だと知って、初めから怯えていた。小さな乱闘にはなったが、取るに足らないものだった」
麗愛先輩はやっぱり笑わず、銀河は対照的に余裕そうな笑みを浮かべていた。
二人は傷一つ負っていない。
玲羅が三人分の報告を全て書き留めた後で、伊吹は息を一つ落とした。
「柔道部、異常なし」
しかし伊吹は、ただそう言って終わりだった。