KING CASTLE



生徒会室に、ずらりと顔が並ぶ。


「報告」

伊吹が一声言うと、順に報告が始まった。


「コンピューター部はやはり脅されていただけのようですね。一言話し始めた途端、納得してくれました」

水無月先輩がまず一番に言う。
それを玲羅がスラスラと記録していく。

「はーい。サッカー部の説得は多少手間取りましたが、少し笑いかけると顔を真っ赤にして納得。この分だと当分何も言わないばかりか、支援費を少なくもできそうです」

淡々といいながら、絢芽先輩は肩をすくめる。

この様子じゃ、絶対色仕掛けを使ったらしい。

梨宮君も可愛いから楽勝だったんだろう。


「空手部は雑魚だ。説得に来たのが私と暁だと知って、初めから怯えていた。小さな乱闘にはなったが、取るに足らないものだった」

麗愛先輩はやっぱり笑わず、銀河は対照的に余裕そうな笑みを浮かべていた。
二人は傷一つ負っていない。

玲羅が三人分の報告を全て書き留めた後で、伊吹は息を一つ落とした。

「柔道部、異常なし」

しかし伊吹は、ただそう言って終わりだった。


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