KING CASTLE
しばらく歩いていると、あたしの家に着いた。
途端に、パッと手を離される。
「じゃあな」
「お、おうよ」
さっきのキスを思い出して、どうも照れくさくなった。
って待て!
なんであたしがそんな気分にならなきゃならんのさっ。
思いっきり首を振っているあたしに、伊吹は眉をひそめる。
「なんでも、ない…!」
「あぁ、百面相はいつものことか」
「違うわ!」
伊吹はニヤっと不敵な笑みを浮かべて、いつものように憎まれ口を聞いた。
「チビはさっさと寝ろよ」
ーチュ
そういって、おでこにキスをして、伊吹はまた歩き出す。
「〜〜こんのッ!馬鹿ぁぁっ!!」
後ろ姿に大声で叫んだけれど、また不敵に笑って「バーカ」なんて返事が帰ってきた。
王の重臣たちはたしかに個性満載で。
それを統括する王は、やはり最強だ。