KING CASTLE

「空いている時間でやればいいだろ。そんなことまで俺に言うな」

「あんたのことだからみっちりスケジュール組むんでしょうが」

まあ、その通りだけど。

「クラスのこともあるのに!あたし美術推薦でこの学校来てるのに!!」

うるせえな。

だんだん、叫びを聞いているのが疲れてきた。


「……じゃあ、俺を満足できたらスケジュール減らしてやるけど?」

そう言って、蒼井の顎に手をかける。

妖しくなぞってやると、途端に黙り込んで耳まで真っ赤にした。


あぁ、この反応。

コイツの反応を見てると、からかいたくなってしょうがない。


「む…っり…!!」

歯を食いしばって悔しそうに言う姿が、また面白い。

その先を見てみたくなる。

「なんで?」

「無理、なものは…っ!無理なのっ」

「出展は?」

「……!やだぁ…っ」

…あー。

涙目になる蒼井をジッと見つめていると、少しヤバい。


< 45 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop