KING CASTLE
「あっそ」
ニヤっと不敵に笑ってみせながら、その唇に口づけた。
激しく口内を暴れてやると、甘い声が聞こえてくる。
「ん、…ふぁっ」
チビのくせに、どこからその声が出てんだよ…
思わず焦りそうになるくらい、色っぽい声。
俺じゃなかったらたぶん食われてる。
「ぁっ…むぅ…!」
苦しいのか、俺の制服を震える手で掴んだ。
……。
「ちょ、…伊吹!」
しょうがないから離してやれば、キスした後の真っ赤な顔で睨みつけてくる。
無防備で、自覚のない女。
放っておいたら絶対ヤバい。
……なんとなく、この声と顔を他の奴が見るのは、俺的にムカつくわけで。
それとなく注意しておかなければならない。
「満足してねえから、スケジュールはそのままな」
「は!?」
叫ぶ蒼井が予想通りで、笑えてくる。