KING CASTLE
こんな女は他にいなくて。
興味深いし、放っておけなくなる。
我が学園の猫娘はどうも変わっていて、
飽きない。
蒼井の腰に手をまわすと、
「え、ちょっと!い、伊吹!?」
ビックリしたような声で固まった。
「うっせーな、チビ」
「なんだとコラ」
温かいぬくもりが本当に猫っぽくて、
しかもこの猫は口が悪すぎる。
別にコイツと俺はなんの関係もねえけど。
いつか懐かせてやろうと思った。
怒った顔よりも、
笑顔を向けさせてやろうと、思った。
隣にいると自分が一番安心していることに、
まだ俺は気付いていない。