KING CASTLE



「面倒くせえ。おい蒼井、男装してやっとけ」

放課後の生徒会室で、伊吹はいきなり本性を出す。
さっきのさっきまでニコニコ笑顔と花を振りまいてたから、この変わりようにはいつまでたっても慣れない。


「無理に決まってんでしょ!」

「あぁそうか、悪かったな。身長がお世辞にも足りてると言えなかった」

「そういう意味じゃないっ!」

この野郎〜〜ッ

たしかに身長は足りてるとか言えないけどっ!
それ以前の問題でしょうがっ


「ったく。俺をダシに使おうなんて、いい度胸だな」

眉間に皺を寄せて、心底迷惑そうに目を閉じた。


まだ、生徒会室にはだれも着ていない。
会長の伊吹と、無理矢理連行されたあたしだけだ。

…憂鬱。

まずこの空間に二人っていうのが憂鬱。

この前の、部活支援費の件を思い出す。


この性悪大魔神は、すぐにキスとかできちゃうから嫌。



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