KING CASTLE

「ていうか!あたし、部活行きたいんだけどっ」

「……」

思い出してハッとすると、伊吹に詰め寄った。
文化祭では、部活発表があるから、早く作品を仕上げなきゃいけないのに。


伊吹はあたしの話を聞いているのか聞いていないのか、チラっと扉の方に目を向けた。

「ちょっと伊吹!聞いてるの!?」

「そうだよね…ごめん。蒼井さんは美術部員なんだ。当然そっちに行きたいよね…」


……は?

何この人?ていうか、だれ?


いきなり目線をさげて。
しょんぼりと呟く伊吹に唖然とした。

「や、伊吹?へ、変なものでも食べた……?」

「え?そんなわけないでしょう?蒼井さんこそ…熱あるのかな?」

大丈夫?なんて
キラッキラ輝くような眩しい笑顔を向けられる。

本当に、変なキノコでも食べたんじゃなかろうか…。


「それより、皆遅いね。僕、ちょっと見てくるよ」

「え!?伊吹っ?」

あり得ない!
絶対普段なら、“おいクソチビ。あいつら呼んでこい”くらい言うのに!

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