KING CASTLE

「いや、構わないよ。何か用?」

「え、あっ!あのっ」

挙動不審な人だな…。
そう思って目を向けると、ちょうどその人と目があった。

相変わらずどもりながら慌ててあたしから視線をそらす。


「えっと!あ、蒼井さんにお話があるのですがっ!」

蒼井さん……?

あたし?

「へ?は、はい!なんでしょう」

目を見開いてその人を見ると、チラッと伊吹に目を向けているところだった。


「………。どうぞ?」

にっこりと笑いながら伊吹は、そういってあたしにこの男の子についていくように進める。


…?

眉間に皺を寄せながらとりあえずついていこうと立ち上がった。

「あの、少しっ着てください!」

ガチガチになっている男の子に続いて部屋を出るとき、チラっと伊吹を見ると。

冷たい瞳であたしを睨んでいた。



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