KING CASTLE

「も、もう少し…」

そう言って廊下を早歩きで進んで行ってしまう男子生徒の後ろを歩きながら、さっきの伊吹の瞳を思い出す。


なんであんなに冷たく睨まれる必要があったわけぇ!?

すぐにイライラが募ってきて、落ち着かせるように溜息を零した。


「あ…ここで」

そう言われた場所は、普段使われていない廊下。
こんなところでどんな話があるのかと内心疑問に思いながら、男の子の言葉を待つ。


「あ、俺…!篠原慧志(シノハラケイシ)と言います」

自分の名前を言って、すぅっと息をすっていた。



「あ、蒼井さんっ。ずっと好きでした!つきあってくださいっ」

「……へ?」


予想もしていなかった言葉に、マヌケな声を零す。

好き?
だれが、だれを?

……この篠原君が…、あたしを?

「え、えええ!?」

これってもしかしなくても、告白!?


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