KING CASTLE



「あ、ねえ妃芽ちゃん!伊吹君にこれ渡し…
「自分でお願いします」

沙羅ちゃんががっかりして肩を落とすのを見るのは少し申し訳ない気持ちになるけど、それでも伊吹のところなんていけない。

あたしが業務連絡を話しかければ、
表の笑顔で返してくるんだろうから。


「やっぱり…?生徒会役員なのに…」

「ご、ごめん…。あ!玲羅ならきっと…
「玲羅は、妃芽ちゃんが頼んだ方がいいっていうから」

アイツ…余計なことを…!

なんて思っても、今までだったら別に業務連絡くらい断らなかったから、玲羅を責められないわけで。

大っ嫌いだといったのはつい昨日だから、玲羅が知らないのは当たり前でもあって。


沙羅ちゃんに苦笑して、ごめんね、と謝る。

「いいよいいよ、あたしが頼んでみる」

そういって沙羅ちゃんは伊吹のところに行った。


何の話なのかな。
そういえばそこ、聞いてなかった。

だけどたぶん文化祭の衣装のことだろうと検討をつける。


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