KING CASTLE

他の子は教室の飾り付けとかつくってるけれど、沙羅ちゃんは衣装のイメージ作りをしてて。

どうしても伊吹に沖田総司をやってほしいらしく、いろいろ思案してた。

今までも、やんわりと断られてるみたいだけど。


「ちょっと、妃芽。どうしたの?」

玲羅がびっくりしたように寄って来た。

「朝の生徒会も来ないし。伊吹君ものすごく不機嫌だったよ?」

「それはあたしのせいじゃないんじゃ…」

伊吹が不機嫌とかは伊吹の気分の問題であって、あたしに関係ないんじゃないの?

って思ったら、真剣な顔して首をふる。

「違うって。最近は結構機嫌よかったのに、今日あんたが来ないから…」

「だって、会いたくない」

会いたくない。
ムカついてしょうがない。

あたしが何かしたわけでもないし、なんで不機嫌なのか検討もつかない。

何もしてないのに睨まれて、キスされて、冷たい表情で終いにゃ「うっせえんだよチビ」。


怒るに決まってんでしょう!

むしろ今までさんざんキスされて、本気で怒らなかった自分がびっくりだ。


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