KING CASTLE
「悪いけど、午後の生徒会も行けないから」
「え、うん…」
びっくりしながら見てくる玲羅に一言、ごめんと謝って。
他の子の手伝いをした。
その時、沙羅ちゃんと話す伊吹の横を通ったけど、極力そっちを見ないことに決め込んだ。
あっちはあたしをチラッと見たような気がしたけれど、よく見えないし何でもいい。
朝から不機嫌だろうがなんだろうが、
伊吹なんてあたしに関係ないのだ。
あとから沙羅ちゃんががっくりと肩を落としてきて、大きな溜息をはいていた。
「伊吹君、今日少し機嫌悪いね」
そうなのか?
だって、表の顔はいつも優しげで機嫌が良さそうだし。
裏の顔はいつも不機嫌で面倒くさそうだし。
極端すぎてわかんないよ。
「なんとなく、口数が少ないというか…。うん。何度も妃芽ちゃんの方見てたよ」
「えー、そんなことないでしょ」
「違うって。喧嘩でもしたの?」
喧嘩?してない。
だって全部、伊吹が悪いんだ。