KING CASTLE

げ。

言い過ぎた、かもしれないと思うには遅すぎて。

「あは…」

目の前に、伊吹が気味悪いくらいにっこりと笑ってたっていた。

たまらず後ずさりすれば、伊吹は一歩進んで。
距離を広げようとしない。


「そんなに口が塞がれたいのか?」

クス、と笑って。
そりゃもう不気味に。

細い指をあたしの顎にのばす。

頬からゆっくりと撫で回すように触れながら、顎をクイッと持ち上げた。


「蒼井」

「…っ」

耳にふっと息を吹きかけられ、思わずびくっと反応する。

だけど、そんなふうに流されたら負け!
そう気力を保って伊吹を睨みつけた。

「こんのドSっ!性悪!にじゅうじ……っンン!」

伊吹の舌打ちが聞こえたと同時に、
あたしの唇は塞がれた。


このドS鬼畜大魔神によって。


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