KING CASTLE

3階の隅にある美術室から走って出て、下駄箱に急ぐ。

ごめんっ龍聖!
生徒会行けない。

呼吸がだんだん浅くなって、体が震えてるのがわかる。

まだ、もう少し。


──ゴロゴロ…ドッカァアン!

「きゃ…」

怖くなって、足が動かなくなった。

がくがく震えながら、座り込んでしまう。

両手で耳を塞いで少しでも聞こえないように。
怖い。もう嫌だ。



あたしは、雷が怖い。




「やだ…ック…ふ」

激しい音でなる雷に、涙が出てくる。

だれか助けて。
怖い…────!

「…だれかいるのですか?」

小さな声がした。
遠くの方でしゃべってるらしい。

その人物が廊下の電気をつけてくれた。


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