KING CASTLE
温かくて器用な舌が、口の中で激しく暴れる。
歯裏を丁寧に舐められ、かと思えば舌を強く吸われる。
「んっ…に…んぁ」
クチュ
伊吹の舌が暴れるたびに、あたしの口から変な声が上がって。
必死で声を押さえようとする。
それを知ってか知らずか、伊吹はもっと激しく動かした。
「ちょっ…くる…し…」
ドンドンと胸を叩いても、止める気配はなく。
酸素がつきた、と思ったころにやっと唇を離された。
「ハァ…っなにすんのよッ」
「キス」
そんなのわかってるわよっ!
と、こんな時でさえつっこみを入れたくなる。
「あり得ない…っ!」
「前もしただろ」
「2回もキスするなんてあり得ない!っていってんのッ」
そうだ。
コイツはこともあろうに、初めてあったときにキスしやがった。
あたしのファーストキスを奪いやがったんだった!