Time to be in love
「結局私はあの子に何も出来なかったじゃん」



そう、何も。



勝手にあの子の意思関係なく引き取ったくせに何もやれなかった。



やれたのは彼女に安全な暮らしとおいしい食事を与えることだけだった。



しかも忍や梨香、周りの人の力を借りて。



私は何もやっていなかった。



ただやっていた気がしただけ。



母親失格よりも人間失格かもしれない。



自嘲気味に笑い私はそっと立ち去ろうとした。




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