すきだったよ。あ、いまでも。


「ゆず〜、よくそんなに練習できるね」


部に入って一番仲の良くなった
佐里がこえをかけてきた。


「だってレギュラーもうすぐ
一年から選抜やしね!!!
先輩と演奏出たいやんっ」


「ゆずは頑張り屋やもんね
あたしも負けてらんないやーっ」



高校1年、部活に没頭するあたしには


恋の「こ」の字も見あたらなかった。



三味線やら尺八やら、
あたしの中ではそれが恋人で。
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