ツンデレ★王子 -2nd-
「先…輩…?」


その時、神谷くんの手がギュッとあたしの手を握った。

そしてスルリと手を離した。


「夏目先輩、一ついいですか…」


神谷くんの表情が見えない。

ただ声はいつもと違って男らしくて…


「ずっとそんなんだと、愛里ちゃんもらうから」

「お前何言って…!」

「だからそうならないように…大切にしてあげてください」


神谷くんは小さく言った。

先輩にしか聞こえないように…


「…またね、愛里ちゃん」


神谷くんは風のように出ていった。
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