ツンデレ★王子 -2nd-
「止めろよ!姉さん!」


その声でピタリとリンカさんが止まった。


「神谷くん…!」

「愛里ちゃん、遅くなってごめん」


夏祭りの夜もそうだった。

あの時も神谷くんがリンカさんを止めた。

ななだけじゃない…

あたしをいつも助けてくれるのは…


「ごめんね…また助けてもらって」

「いいよ、僕は愛里ちゃんが好きなんだから。それに…」


神谷くんが真剣な表情でリンカを見る。


「これは僕たち、兄弟の問題でもあるんだ」


それは強く、どこか悲しい声だった。
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