忘却は、幸せの近道
まずは、二番目の兄の十和。


-トントンッ


一応、礼儀としてノック。

昨日は、連絡来てないから入っても大丈夫なはず。


稀に女性と寝ている時があるから、そん時は予め連絡をしてもらってる。


「トーくん。」


様子を伺いながらゆっくりと部屋に。


ベッドの盛り上がり方が明らかに一人なのを確認して叫んだ。


「トーくん、朝だよ。
起きて。」


「うん?
梨依?
おはよう。」


トーくんは、寝起きがいい方だから、寝ぼけながらも挨拶を返してくれる。


「朝ご飯、もうすぐだからね。」


それだけ言って次の部屋に向かった。


「梨依ちゃん、おはよう。」


妹の実依。


私たち兄弟の末っ子である。


「実依、おはよう。
朝ご飯もうすぐだって。
せんちゃんは?」


「たぶん起きてるよ。
隣でガサゴソ音がしたから。」


せんちゃんとは、実依の双子の兄の千里。


「じゃあ、もっくんを起こしたら、終わりかな?」


もっくんとは、三番目の兄の百輔。


「梨依ちゃん、先に行くね?」


「うん。」
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