忘却は、幸せの近道
「はい。
けど、卓が居る限り大丈夫かもしれません。」


これは、はっきり言える。


卓には、申し訳ないけど。


「俺は、梨依から離れることありえない。」


「あんたら、イチャイチャしすぎだから。」


春奈さんが私と卓のやりとりに呆れていた。


私は、春奈さんに言いたかったんだけど。


卓への言葉になっちゃった。


「俺は、イチャイチャしてるつもりはない。
イチャイチャってのは、こんなんじゃんよ。」


そう春奈さんに言って、卓は、私に唇を重ねた。


「はいはい。
それより梨依ちゃん。
そろそろみなさんが来るわよ。」


春奈さんは、思い出したかのように言った。


「みんなですか?」


せんちゃん、そんなこと言ってたのかな?


やっぱり、そこは思い出せない。


「そうよ。
そろそろ退院でしょ?
その前に話し合いたいみたいよ。
ある意味、タイミングよかったみたいね。」



今なら、不信感なしに一緒に住める。


うん。


頑張れる。
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