忘却は、幸せの近道
卓の支えがあったから、考え直せた。


いずれ、家から出るから。


それまでの我慢だって。


すぐに結婚とかそんなのはないけど、卓の助けがあれば頑張れるから。


すべて、私のせいでいいから、私を解放して欲しい。


家族を好きだった頃に戻りたかった。


やり直したいって思った。


けど、卓や春奈さんが言うように私の家族はみんな逃げてる。


卓の家族が羨ましい。


春奈さんを支えた圭さん。


そんな圭さんの弟が卓。


私の希望になることは、確かで。


だからこそなんだ。


許せない感情がわき上がるのは。


羨ましいと思う存在が、こんなにもそばにあるから。


どうしても、比較してしまうんだ。


一般的にみたら、私の家は幸せだと思う。


結構、大きい会社を経営してるから。


お金には、不自由ないし。


イケメンな兄弟にかわいい妹、そして、綺麗な義姉。


性格だって、一般的に見たら、お金があるわりに常識はあると思う。


けど、暖かみはない。


欲しい温もりが一切ない。


臭いものに蓋をするじゃないけど。


嫌なことは、ないことに。
< 110 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop