忘却は、幸せの近道
「私は、梨依ちゃんに賛成よ。
はっきり言って、みんな、梨依ちゃんに必要以上に気を使うじゃない。
それは、梨依ちゃんにしたら、重荷なのかも知れない。
ほんとのところね。
私、未だに梨依ちゃんとどう接していいかわからない。
梨依ちゃんが、眠ってる間考えてた。
どうしたら、うまく行くかを。
けど、答えが見つからないの。
そんな状態で一緒に住んでもわかり得ないと思う。
私が楽したいとかで言ってるわけじゃないよ。」


やっぱり、沙奈ちゃん。


血は繋がってないけど、私と沙奈ちゃんは似てるんだ。


沙奈ちゃんには、言えばよかったかも。


多分、一番わかりあえた気がする。


「沙奈は、やっぱり、他人なんだな。」


いっくんが、寂しげというより冷たく言った。


「違うわ。」


沙奈ちゃんは、いつもより声を荒げて言った。


いっくん、最低だよ。



結局、いっくんは、男だからだ。


「いっくん、私も沙奈ちゃんと同意見だよ。」



冷静な実依。


「はっ?
なんでだよ。」


いっくん、今度は困り顔。

トーくん、もっくん、せんちゃんも。
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