忘却は、幸せの近道
『梨依先輩、好きです。
つきあってください。』


なぜか、告白も増えた。


なぜかな?


私よりかわいい子なんてたくさんいるのに。


だから、私は、申しなさげに断る。


『ごめんなさい。
彼氏いるの。』


卓がここにいたら、もっといいのだけど。


結局、彼氏がここにいないから信憑性に欠けるみたい。


「梨依ちゃん、卓先輩が彼氏だって言わなきゃダメだよ。」


実依に怒られちゃった。


「でも、みんなは、卓を知らないでしょ?」


私は、困ったように首を傾げた。


「わかった。
私とせんちゃんに任せて。」


実依は、すっごい笑顔。


私は、なにをするのか不思議だったけど、すぐにわかった。


それは、突然だった。


女子生徒が、異常に騒がしかった。


男子生徒は、そわそわしてた。


特に、3年生。


「梨依ちゃん。
卓先輩が来たから、帰ろ?」


いつものように迎えに来た実依だけど、ウキウキしながら、あり得ないことを言った。


「た、卓?」


だって、私は、学校には、迎えに来ないでって断ってたから。
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