忘却は、幸せの近道

「千里、いつの間に彼女できたの？」


「はっ？
意味わかんねぇんだけど。」


実依の問いにとぼけるせんちゃん。


「千里は、琴ちゃんとつきあってるんでしょ？」


実依は、負けずに再度聞いた。


双子ゆえなのかわからない。


私とかみんなは、ヒいちゃうんだよね。


けど、実依は、がんがんにツッコんで聞く。


ある意味、ヒヤヒヤしちゃう。


「あっ？
あぁ。
てか、いつのまにじゃねぇし。」



「せんちゃん、照れてるからって、口悪くならない。」


せんちゃんの癖だ。


普段は、穏やかに話すのに、照れたり余裕がなくなると話し方が乱暴になる。


「そんなつもりはないけど....」


「千里は、梨依ちゃんに弱いんだから。」


実依には、強気なんだけど。


私には、おれてくれる。


「そんなこと....
まあ、あるか。」


せんちゃん、苦笑いだったけど、否定せずに肯定しちゃったよ。


「よかった。
認めてくれて。
千里も大概シスコンだもんね。」


「はっ？
ちげぇーし。」


実依、せんちゃんは、そんな事ないし。


だからか、必死に否定してるし。