忘却は、幸せの近道
「梨依ちゃん、私と頑張ろう。」


この声は.....


私の気持ちを理解して、ともに苦しみを分かち合ってくれた人。


その人が泣いてる。


私よりも辛い日々を送ってきた人。


その人の幸せを私は、誰よりも望んでいた。


実際に、今は幸せなんだろうけど。


「りっちゃん?」


幼い子が私の名前を呼ぶ。


初めてその子を見た瞬間、天使って思った。


私には、望めない未来。


その子の笑顔を見る度に辛いと想いながらも、元気をもらえた。


「もう頑張れない。
違う世界に行きたい。」


私は、さっきまで誰に名前を呼ばれても反応しなかった。


けど、その人だけには伝えたかった。


私を救おうと必死になってくれた人だから。


その人には、返したかった。


もう、無理だけど。
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