忘却は、幸せの近道
抵抗しようと暴れたり、声を出して助けを呼ぼうとした。


けど、そんな私をあの人は殴ったりするから、怖くて諦めた。


この時、神様はいないんだって思った。


どうして、私が?


怖いよ。


助けて。


心の中で叫び続けた。


事が終わり、あの人がいなくなってから、私は携帯を見た。


たくさんの家からの電話。


普段より遅くて心配したんだろうな。


私は、震えながら家に電話した。


「梨依か?」


ワンコールで出てくれた。


私は、私の名前を呼んでくれたことにホッとして、涙を流した。


そして、さっきは言葉にできなかったことを呟いた。


「助けて....」


それが精一杯だった。


「梨依、どこにいるんだ?」


「公園」



私は、短く答えるしかできなかった。


私は、そこで記憶がとぎれた。
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