忘却は、幸せの近道
「しかし.....」


って、思ったのも束の間だった。


「なにか?」


「梨依が小5か6の時にな。
『顔がいい男は嫌い。
彼氏にするなら、顔より心なんだから。』
って、力説されたんだけど.....」


百輔さんに全身をなめるように見られた。


「俺は.....」


「卓、安心しろよ。
おまえは、カッコいい。
けどな。
梨依は、見た目じゃなくて、中身でおまえを選んだんだ。
一途さが伝わったんだな。
羨ましいよ。



梨依は....


やべぇ。


またまた、梨依を惚れ直す。


目覚めたら、押さえきれない想いを伝えたい。


梨依に愛の言葉を伝え続けても足りない。


でも....


羨ましいってなんだ。


ひっかかるとこじゃないんだろうけど。


「百輔さんも大切な人がいるんですか?」


そう聞くのが、精一杯。
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