忘却は、幸せの近道

「よしっ。
もう一回、頑張ろうかな？」



百輔さんは、心なしかすっきりしていた。


「今の百輔さんなら、大丈夫ですよ。」


「サンキュ。
梨依からは、絶対聞けないことだったから、助かったよ。
梨依は、見守るだけの子だから。
卓がいて、ちょうどいいのかもな。」


なんかめちゃくちゃ嬉しい。


梨依に欠けているものを俺が補えてるようで。


それは、俺だからって。


梨依には、俺が必要なんだって。


俺と梨依は、お互いの傷を受け入れてわかちあっているから。


普通の恋人同士よりは、難ありなんだ。


好きだけじゃなく、危うい絆があるんだ。


それは、ずっと続くかはわからない。



けど、周りに認められるのは嬉しい。