忘却は、幸せの近道
「それは、彼女が言ったの?」


「違います。
けど、俺には気を使わず素を出せて、安心できるって。」


「それって。
千里くん以外は、無理って言い方にも聞こえるんだけど。」


「都合よければね。
けど、あり得ないっすよ。」


千里くんは、本当に諦めてるみたいだ。


けど、彼女以外ありえないんだろうな。


「諦めず頑張ってみた方がいいんじゃないか?」


「俺の話は、もういいですよ。」


「俺、諦めようと思ったけど無理でさ。
で、頑張って今に至る。」

「一途なんすか?
じゃあ、なんであんな噂が?」


噂って、あれか。



誰でも相手にするとか。


「あれは、諦めようと思ったときの話だ。
今まで無視してきた女を相手にしてみるのもいいかもってな。」


「けど、保健の先生は、ないでしょ?」


「はっ?」


全く知らない噂なんですけど。


保健の先生って?
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